土用の丑は、うなぎを食べる日、と言うのはあまりにも有名ですよね。
半夏生は、タコを食べる日、らしいですけど…。
半夏生って、読み方も微妙です。
夏至から数えて11日目を、そのように言うことなんですね。
稲作に関連したものです。
読み方は、はんげしょう、です。
田植え直後のひ弱な頃と比べると、少しずつですが、たくましくなってきてるみたいですね。
農作業や日々の生活
と関連した、たくさんの季節用語がありますね。
季節の移り変わりと
農作業の段取りの目安は、密接な関係がありますね。
先人の知恵が、今もそして今後も、受け継がれていくことでしょう。
半夏生について
半夏生 (はんげしょう)
もなんだかとっても怪しげな言葉。
でもあらかじめ断っておきますがこの「半夏生」、
言葉の雰囲気は怪しげですが、歴とした七十二候の一つ、
主要な雑節としても取り上げられるもので、
怪しげな占い関係の言葉では有りません。
ご安心を。
◆七十二候の「半夏生」
二十四節気をさらに細分化したものに七十二候というのがあります。
七十二候は奈良時代に中国から輸入された暦に既に記載されていたものです。
中国の黄河中流域の季節の変化を動植物の成長や気象といった自然現象で表したもので、一種の季節暦と言えるものです。
七十二候の一つで、二十四節気の夏至の末候。
現在の暦でいえば7/1か7/2頃にあたります。
半夏生ずって、夏が半分だけ生まれるってこと?
という印象を受ける(私だけ?)言葉なのでなんだか不思議に思えますが、
これは「半夏(はんげ)」という植物が生え出す頃という意味。
なんだ、そんなものか。
◆半夏という植物
半夏は、カラスビシャク(烏柄杓)というサトイモ科の植物。日当たりがよい山の端や、畑に生える植物。ちょっと見た目は変わっています。
有毒植物ですが、生薬としても用いられる植物です(毒にも薬にもなるってことですね)。
ここらで、論より証拠と写真を載せたいところですが、あいにくとカラスビシャクを撮した写真を持っていないので断念(撮したら載せますね)。
ということで、カラスビシャクについてもっと知りたい方はインターネット百科事典ウキペディアでも当たってください。
ウキペディア:カラスビシャク ←写真も載ってます。
◆雑節となった半夏生
二十四節気や七十二候は、日本でいくらか変わった部分があるとはいえ基本的には中国で生まれたものです。
これに対して雑節は日本の生活の上で必要なものが取り入れられた日本製のもの。
八十八夜や彼岸といった現在でもなじみ深い日が入っています。
ではどうして、中国生まれの七十二候の一つ半夏生が、この雑節の中に加えられたのでしょうか?
暦の上での半夏生は、梅雨の後期に入る一つの目安と考えられ、
田植えの終了を示す日としての役割がありました。
昔はどんなに遅くとも半夏生の日までには田植えを終え、
それ以降には田植えは行わなかったといいます。
天候が不順で気温が上がらず、田植えの時期がずれ込んだとしても、
何とかこの日までに田植えが終えられるならば、
「半夏半作」といって例年の半分の収穫は上げられるといったそうです。
逆の言い方をすれば、これ以降に田植えをするようでは例年の半分の収穫もおぼつかないという意味でしょう。
八十八夜が茶摘みの好適時期を表す言葉だったように、
半夏生は稲作における田植えのタイムリミットを表す言葉として、
日本の生活にはなくてはならないものとして、
雑節に取り入れられたものと考えられます。
昔は夏至から数えて11日目を半夏生としました。現在は太陽の視黄経が100度となる日とされています(どちらの方式でも7/1か7/2になりますけど)。
半夏生とタコの関係とは?
この季節、田植えも終わる頃で、植えた稲がしっかりと「たこ」が吸い付くように根を張り、豊作を願ってたこを食べる習慣があります。
しっかりと根を張ってほしい、そんな想いが、
タコを食べると言う習慣を形作って来たんですね。